Oneday #55


何年ぶりの水族館。

分厚いガラスの前に佇んでは何を見るでもなく
ただぼんやりとした頭でその光景を眺める。

言葉なくただ静かに空間に視線を置き
蠢く鱗に反射した光を目で追う。

ゆっくり瞬きをし、また目の前を横切る鱗に視線を移す。
ひとしきり繰り返したところで、我に返る。

ゆっくりと流れる時間、でも確実に過ぎてゆく今。

魚達だけがとても優雅に一日を楽しんでいるように見えた。













冷たい光、温かな時。

そんなある日。